- 活動日記
- 2020.10.13(火曜日)
愛知県の高齢者施設へ伺いました。
コロナ対策を決定する専門家会議は「大きな声で話したり歌ったりすることは感染のリスクが高い」と発表しました。これによってマスクを外す食事の時は喋らない、歌は歌わないという姿勢作りが重要なコロナ感染予防対策の一つとして推進されました。
耳を塞いだままで喋ってみました。
自分の声が自分の耳で確認できないと、極度の不安にかられます。
人は自分の発する声と周囲の雑音を同時に聴きながら、安心していることが分かります。
本日は高齢者施設でのコンサートでした。
コロナ禍によって、より不安になっていらっしゃる高齢者の方達ですが、久しぶりのコンサートでもやはり声を出して歌うのはタブーだとされました。
3密を避け椅子の間隔を空けられ、スタッフの方、高齢者の方達は全員マスクを着用されていました。
いつもでしたら、演奏に入る前にリーダーが発声練習と頭の体操を兼ねて12月までの唱歌を高齢者の方達に思い出して歌っていただくのですが、コロナ禍のため割愛させていただきました。
そして、リーダーが「唱歌を歌っていただく時は、心の中で歌ってくださいね」と言葉を添えました。
マスクで表情が全くわからない、歌声も聞こえないとなると、高齢者の方達が楽しんでいらっしゃるのかどうか分かりませんので、不安な気持ちになりました。
声には体の調子や、精神状態が表れます。表情や声に人は癒されるようです。
声を出して、皆と一緒に歌うことがどれほど楽しいことか、尊いことなのか、当たり前のことが出来なくなって良く分かります。
高齢者の方達の中には懐かしい唱歌を久しぶりに歌ったので、思わず声が出てしまう方もいらっしゃいました。
リーダーが「今度伺う時には、皆で大きな声で歌えるといいですね。」と高齢者の方達に話されました。
演奏後、高齢者の家族の方なのか、「涙が出そうになりました。ありがとうございました。」と声をかけていただきました。
有難いお言葉にこちらの方こそ涙が出そうになりました。
コロナ対策で大変の中、貴重な機会をいただき、改めて心より感謝申し上げます。
皆様、本当にありがとうございました。
(波多野)